第5回 ホールドと身体の位置
これまで「手の位置」、「足の位置」と進んできましたので、今回はホールドとカップルの「体の位置」について述べてみます。
ホールド
Danceは男女がHold(ホールド)を組んで踊ります。誰もがHoldは簡単なものと思っているのが一般的です。しかし、ダンスを美しく1曲踊り続けるにはこのHoldが大変重要な要素を持っていることをダンサーは認識しなければなりません。 通常正しいHoldには、男女に5つの接点があるといわれています。皆さん5つの接点がお分かりでしょうか。2つや3つまでは簡単にわかるかもしれませんが、もう一度確認をしてみましょう。
第1の接点 : 男性の左手が女性の右手を軽く握った接点。
第2の接点 : 男性の右手が女性の左肩甲骨の上に置いた接点。
第3の接点 : 男性の横隔膜(みぞおち)付近が女性のその付近と軽く触れる接点。
第4の接点 : 女性の左手が男性の右上腕部上に置いた接点
第5の接点 : 男性の右前腕上側に女性の左上腕下側を置いた接点。
以上がHoldの概要です。
通常ダンスを踊っている時、第1から第4の接点は確実に出来ていますが、第5の接点は殆んど接していません。原因としては女性の左上腕部(左肘)が極端に上がっているためで、解消方法は男女共両肘(両肩)をなるべく上に上げないようにHoldすることが大切です。
Holdの5つの接点
身体の位置
次に「体の位置」に移ります。「P.P.に開いて」とかよく言いますが、これが体の位置のことです。体の位置とは、男性の体の位置に対する女性の体の位置のことです。当然Normal Hold(ノーマル・ホールド=通常のホールド)も体の位置です。一般的には、Standard種目では、Normal
Hold(=Close Facing Position)とPromenade Positionくらいのものですが、たまにFallaway PositionやCounter Promenade Positionもあります。しかし、Latin種目ではこれから述べる12種類全ての体の位置があります。
次の各Body Positionで踊るFigureがいくつ程理解できますか。
1. CLOSED FACING POSITION (クローズド・フェイシング・ポジション)
女性は男性と少し離れて面し、通常のホールド(男性の左手が女性の右手を取る)又はダブル・ホールド又はホールド無しもある。
2. CLOSE FACING
POSITION (クロース・フェイシング・ポジション)
女性は通常ホールドで男性と面して、お互いにみぞおち付近を軽く接触。
3. OPEN FACING
POSITION (オープン・フェイシング・ポジション)
女性は男性から離れて面し、男性の左手が女性の右手を取る、男性の右手が女性の右手を取る、ダブル・ホールド、又はホールド無しもある。
4. FAN POSITION (ファン・ポジション)
女性は男性の左サイドで直角に位置し、男性の左手で女性の右手を取る。
5. PROMENADE
POSITION (プロムナード・ボジション)
女性は男性の右サイドで鋭いV字型に位置する。
6. COUNTR PROMENADE
POSITION (カウンター・プロムナード・ポジション
女性は男性の左サイドで鋭いV字型に位置する。
7. FALLAWAY POSITION (フォーラウェイ・ポジション) Promenade Positionで男女が後退に動く。
8. RIGHT
SIDE-BY-SIDE POSITION (ライト・サイド・バイ・サイド・ポジション)
女性は男性の右サイドに位置し、男女とも同じ方向を向く。
9. LEFT SIDE-BY-SIDE
POSITION (レフト・サイド・バイ・サイド・ポジション)
女性は男性の左サイドに位置し、男女とも同じ方向を向く。
10. RIGHT SHADOW POSITION (ライト・シャドウ・ポジション)
女性は男性の右サイド少し前に位置し、男女とも同じ方向を向き、同じ足に体重を乗せ、男性の右手は女性の右肩甲骨に、男性の左手は女性の左手を取る。
11. RIGHT CONTRA POSITION (ライト・コントラ・ポジション)
男女が向かい合い互いに相手の右サイドの方向に同じ足で動く。
12. LEFT CONTRA POSITION (レフト・コントラ・ポジション)
男女が向かい合い互いに相手の左サイドの方向に同じ足で動く。
「体の位置」(Body Position)がこんなに多くあることに驚かれた方もおられるかも知りませんが、上級Latin種目のFigureには必ず出てくるものです。少しずつ挑戦してみましょう。
(いしい まさる) 2007.12.12.
.
|